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【佐々木憂流迦インタビュー】“極上の3人とプロレスのリングでの戦いを楽しみたい” ジョシュ、船木、藤田、レジェンドとの戦いを目前にした憂流迦の本心に迫る!

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10月14日(祝・月)「STAR NAVIGATION PREMIUM〜Akitoshi Saito Ridge Road Last KORAKUEN〜」東京・後楽園ホール大会にて、スペシャルタッグマッチ ジョシュ・バーネット 佐々木憂流迦 VS 船木誠勝 藤田和之に出場する佐々木憂流迦に話を聞いた。総合格闘技でも自身よりキャリアが上のレジェンドに囲まれ試合をする佐々木憂流迦の心境とは?


※こちらのインタビューは10月8日の記者会見以前に行ったものになります。


【選手インタビュー】

──今回のスペシャル・タッグマッチって、例えばN-1 VICTORY公式戦の結果を受けて決定した征矢学選手との防衛戦とかとは違う意味合いを持って組まれたのかと思います。憂流迦選手は、このカードをどういう感じで知ったんですか?

佐々木 いやもう、普通に「こういうのやるよ」って言われて「ああ~……ありがとうございます」ってだけですよ(笑)。

──最初に聞かされた時は、どう感じましたか?

佐々木 感謝しかないですよ。触れ合いたかったので。光栄なことです。

──他の3人って……。

佐々木 ひと言で言えば、「レジェンド」ですよ。レジェンドに囲まれた若僧です(笑)。

──だから面白いんですけどね。まずパートナーがジョシュ・バーネット。

佐々木 僕、プロデビューが2010年なんですよ。その時、ジョシュはまだパンクラスのチャンピオンだったんですよね。もうずっと大会には出てなかったんですけど、なぜかチャンピオンのままで。

──無差別級キング・オブ・パンクラシストですよね。2003年に王座決定戦でチャンピオンになって、今も公式サイトの王者一覧には顔写真が載っています。

佐々木 実際、MMAでもレジェンドの一人ですよね。日本にゆかりもあるし。まあでも、時代が違いますけどね。階級も違うし。

──それを言うなら、他の3人はみんな、憂流迦選手とはMMAで活躍した時代も階級も違いますよね。

佐々木 そうなんですよね。藤田和之選手だって、TVで見てた人ですから。「うわ、ヒョードルをグラつかせたよ!」って(笑)。だから、対戦するなんて思ってないじゃないですか。1年前、プロレス・デビューの頃の僕は想像もしてなかったですよ。船木誠勝さんだってTVで見てた人だし。本当に「レジェンドに取り囲まれた若僧」なんですよ(笑)。


──本当にそうなんですけど、だからこそ、憂流迦選手がその中でどう戦うのかが見ものなわけで。


佐々木 そこは、僕も本当に楽しみです。僕がやってきたことが、絶対に交わることがないと思ってた人たちに、どう作用するのか。これは超楽しみ。ジョシュは味方ですけど、ジョシュともやりたいなと思ってたので(笑)。


──だと思いました。


佐々木 リングの上って特別じゃないですか。ジョシュも目の前で見れるわけだし、他の2人とは実際に組み合えるわけで、それはホントに超楽しみです。


──今、「やってきたこと」とおっしゃいましたが、この試合だからこそ、それは2つあると思うんですよ。憂流迦選手が「MMAでやってきたこと」と「この1年、プロレスでやってきたこと」と。感覚としては、どちらも合わせてという感じ?


佐々木 今の自分は、もちろんそうですね。MMAだけやってた時の自分は、MMAの自分しか持ってなかったですけど、今は2つの顔を持っているので。まあ、MMAの方が長いですけど。今回はプロレス・ルールだと思うので、プロレスのリングで会うことになりますけど、見てるとみんな格闘技寄りのスタイルじゃないですか。だからどうなんですかねえ、いろんな部分が触れ合えるような気がしますよね。


──いろんな部分。


佐々木 僕は2010年にプロデビューして、MMAが14年間。そこでやってきたパンチやキックって、ずっと研いできたものじゃないですか。今、プロレスのリングでも蹴りは出してますけど、そういうものがどう作用するのかとか。プラス、この1年で覚えた……投げ技、出せるのかな?(笑)


──みんな重いですからね。


佐々木 そうやって研いできた技が、どう作用するのか。もしかしたらそこまでやらせてもらえず、すぐバチコン!ってやられちゃうかもしれないので。フタを開けてみないと分からないですよ。


──本当にそういう可能性もあるし、しかも普段の試合よりその可能性は高いわけで。


佐々木 高いですよ! だからヒリヒリするんじゃないですか。1年前のジョシュと船木さんの試合を見ても、じっくりいくジョシュに、船木さんが切れ味鋭く攻めていって。船木さん、怖いじゃないですか(笑)。もしかしたら僕がトップで出ていって、ジョシュの出番もないままに、すぐにやられちゃうかもしれないし(笑)。それは本当にフタを開けてみないと分からないから、そういった意味でも楽しみですよ、これは。楽しめそうです。


──当日は何を武器に当たっていこうと思っていますか?


佐々木 この試合に限らず思っているのは、僕はリングに立つ以上、戦いを楽しむことが好きだってことなんですよ。今回はこの極上の3人と、プロレスのリングでの戦いを楽しみたいです。まあ、それでやられちゃったらアレですけど(笑)。


──やられる話をしている時ですら、楽しそうですよ(笑)。


佐々木 「戦い」ってやっぱり、そういうものじゃないですか。MMAの時からそうだったけど、ヒリついて痛いのがつきものだし、その中で相手の完成度とかもあるし、相手が今まで培ってきた技術とかをぶつけてもらえるのも感謝なので、それも込みで楽しみたいです。その意味ではあの3人はヤバそうじゃないですか。


──間違いなくヤバいですね(笑)。


佐々木 ですよね。試合見てると、威力がヤバいじゃないですか。アレ食らったら、楽しそうですよね! 藤田さんのパワーボム、食らいたいですもん(笑)。


──今のところ、間近で見ている回数が一番多いのは藤田選手ですよね。


佐々木 そうですね。同じ大会に出ていて、会場でお会いしたりもしますし。逆に船木さんはお会いしたことないかもしれないです。


──久しぶりの参戦ですからね。


佐々木 ジョシュに至っては、会うの初めてなんですよ(※インタビューは10/8記者会見以前に実施)。怖い人なんですかね?(笑)


──趣味のオタク話をしてる時は、ホントに「大きなオタク」みたいな人ですけどね(笑)。そのジョシュとは、こういう試合だから連係プレーはないのかなとも思いつつ……なんですが。


佐々木 うーん、どうなんですかね? ジョシュとは連係してみたいですけどね。僕が相手の2人を取り押さえるのは無理だと思うので(笑)、ジョシュに取り押さえてもらってたら、いけるかもしれないですよ。でも、誤爆しちゃったらヤだなあ(笑)。場外まで逃げるかもしれないです。


──それを考えても、どうなるか分からないですよね。


佐々木 いやホント、想像つかないですよ。でも緊張して、ヒリつくんじゃないですかね。相手の2人は攻撃力が高いので、いいとこにもらっちゃったら、すぐ終わるような気がするから。


──先ほど、藤田選手の試合は見る機会が多いという話でしたが、それだけヤバさも感じているわけですよね。


佐々木 マジでヤバいですよ、野獣ですから! いつもすげえなと思います。ああいうところって、僕にないところじゃないですか。「もっと来い!」みたいな感じで、何にも効かなそうな「野獣感」というか。それをやっと体感できるのは楽しみです。


──また、藤田選手と船木選手も全然タイプが違うし。


佐々木 ですよね。だから向こうの2人って、タッグとして相性がいいですよね。お互いに補填し合っている感じで、たぶん超強いと思いますよ。


──あとは、2人が合うかどうかですが。


佐々木 合わないんじゃないですか(笑)。あのメンツ、みんな“個”な感じがしません?

──まさに。4人ともそうですよね。だからタッグマッチとは言いつつ、ちょっと4WAYマッチに近い雰囲気もあるのかなと思ったりもします。


佐々木 ああ、確かに(笑)。4WAYでやっても楽しそうですよね。


──でも本当に4WAYだったら、憂流迦選手が1vs3で攻められる場面もあるかもしれないわけですよ?


佐々木 ありますね。でも、スピードでは僕が一番速いと思うので。そこは負けない自信がありますよ。


──だから、ファンが期待するのもそこだと思うんですよ。


佐々木 そうでしょうね。そこは自信もあるし、期待もされてるかなというのは分かります。でもなあ、スピードと言いつつ、ちょっと真っ向からやりたい気もあるんですよ(笑)。


──全部受けたそうですね(笑)。


佐々木 受けたいっすね~! でも去年のジョシュvs船木戦で、船木さんがヒザ蹴りを出してたじゃないですか。アレもらったら終わりな気がするんだよな(笑)。ジョシュだったから耐えられたと思いますけど。


──だから顔触れとしては、1年前に対戦しているジョシュと船木選手が、一番因縁がありますよね。本人たちも意識しているかもしれないし。でも憂流迦選手としては、2人の攻防がメインになるようでも困るのでは?


佐々木 どうなんですかね? 本人たちは意識してるのかな? 僕、他の3人にインタビューしたいですよ(笑)。3人ともそんなの意識してなくて、思うままに戦うだけって気がするんですよ。たぶん、一番気にしてるのは僕じゃないですか(笑)。「どういう選手かな?」とか分析してるのって、僕だけだと思いますよ。


──そういう気もしますけど(笑)、ただ「流れ」というものがあるとすれば、船木選手とジョシュは去年戦っていて、勝ったジョシュが「もう1回!」と熱望していて、その2人が1年以上ぶりに再会するという「流れ」があるわけで。


佐々木 そうかあ。もし意識しているのであれば、邪魔しちゃおっかな(笑)。そしたらジョシュも怒らせちゃうか(笑)。


──またそうやって楽しそうに言ってるのを見るほど、試合展開が想像つかなくなりますね。


佐々木 読めないでしょう(笑)。だからこそワクワクするでしょうし、怖さもありますし。僕にも(笑)。


──やっぱり怖さもあるんですね。


佐々木 そりゃ怖いですよ! あんなのとやるんですから。ただ、その怖さも含めて楽しみなんですよ。「怖い」っていう感情も、こういう時じゃないと出てこないですからね。そこも楽しまないと。


──ここまでNOAHのリングで戦ってきた中では、一番「怖さ」を感じた相手は誰でしたか?


佐々木 「怖さ」にもいろんな種類がありますからね。拳王選手のトップロープからのフッとスタンプは「マジか! あんなとこから飛んでくんのかよ!」と思いましたし、清宮とやった時は「コイツ、底知れねえな」と思いましたし。全員が「怖さ」は持ってますよ。NOAHの選手はいい選手が多いので。だからこのリング、やってて楽しいんですよ。


──そして、今回の3選手はまた違った「怖さ」があると。


佐々木 そうですよ。だって怖いでしょ? あの3人とやれって言われたら、怖いでしょ?


──もちろん怖いですけど、僕は選手じゃないですから(笑)。


佐々木 ハハハハハ! 楽しいっすよ!(笑)


──いやいや(笑)。でも憂流迦選手は、自らそこに飛び込んだわけで。


佐々木 そうっすね。だから堪能したいんですよ、この時間を。


──しかもこの豪華なカードが、後楽園ホールで実現するわけですよ。


佐々木 まあ、場所はどこでもいいじゃないですか(笑)。確かに大きな会場でもやれるカードではあると思いますけどね。僕は修斗などでも戦っていて、後楽園は馴染み深い会場でもあるので、いいですけど。ただ、後楽園以上に新宿FACEがメチャ好きです。あとは日本武道館、あそこは特別な場所って感じがしますね。いろいろ大きな会場でもやってきましたけど、新宿FACEはメチャ好きですね(笑)。


──そんなにですか(笑)。


佐々木 後楽園以上に、お客さんの気持ちとかが感じ取れるじゃないですか。だから好きですねえ。


──今回の試合で、他の3人に負けたくないところというと?


佐々木 MMAで僕がやってきたことって、いろんな団体でやってきて、自信があることなんですよ。昔の“総合格闘技”じゃなく、今の、最新の“MMA”をやってきた自信があるので、その最新の“MMA”があの3人にどこまで通用するのか、やってみたいです。ただし、僕は今プロレスラーなので、MMAファイターとしてということではなくて、その点で僕が培ってきたものがどこまで通用するかというのは、楽しみな部分ですね。


──その上で、これだけはどうしても見せたいというものは?


佐々木 やっぱり“戦い”ですね。「これが“戦い”だな」というのは感じ取ってほしいです。


──それこそSNSなんかでは「今のプロレスには“戦い”がない」という声を見かけたりしますが……。


佐々木 おっ! そんなこと言うヤツがいるのか!(笑) いやいや、プロレスは“戦い”ですよ。ファイト・アートですよ。しかもNOAHのリングには“戦い”がすごくありますよ。だって僕は両方やってるんだから。両方やってる僕が言うんだから、間違いないですよ(笑)。


──では最後に、当日観戦するお客さんにメッセージをお願いします。


佐々木 10・14後楽園ホールは、僕のカードもありますけど、清宮海斗vsマサ北宮のGHCヘビー級タイトルマッチもあるし、いろんな色が見えて、すごく楽しい1日になると思うんですよ。それを堪能してほしいですね。僕は勝手に自分の試合を堪能するので(笑)。たくさんの人と共有したいから、いろんな人たちに会場に来てほしいですね。NOAHは配信コンテンツが豊富だけど、ライブで楽しんでほしいと、僕はずっと思ってるので。やっぱりライブが楽しいですから。会場に来て、声を出して楽しんでほしい、感じ取ってほしいです。ホントに楽しいから、会場に来た方がいいですよ。


──ホントにそうですね。ではスペシャル・タッグマッチ、ご堪能ください。ありがとうございました!

(文・ソリタリオ 高崎計三)

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